『血界戦線』(ジャンプSQ)
『血界戦線』。ジャンプSQに連載中の、内藤泰弘先生による少年?青年?漫画です。
内藤泰弘先生といえば、アニメにもなった前作『TRIGUN』が有名ですが、この『血界戦線』もまた面白いのです。
導入部をさらりと申しますと、
「ヘルサレムズ・ロット」。そこは、かつてニューヨークであった場所。異界(ビヨンド)と人界が混ざりあったような状態になっており、人間と人外である様々な種族が共に暮らす、突然の死すら当たり前の危険きわまりない街である。
青年、レオナルド・ウォッチは新聞記者としてヘルサレムズ・ロットへとやってきた。しかし、音速猿という動物にカメラを奪われ、それを追いかけるうちに、ヘルサレムズ・ロットで世界の均衡を保つために暗躍する、秘密結社ライブラと出会う……
という感じなのです、が。
まず、さすが内藤先生というべきか、世界観がすごい。
たった1ページ、たった1コマで、そこが異常な世界だということを表現しています。そして、それがたった3コマくらいになると、それが異常であるけれど日常でもある世界だということを説明してくれるのです。それが1話分になると、詰め込まれた情報量がすごい。ちっちゃなコマすらすごい。そして、圧倒的に物語がすごい。
レオナルド・ウォッチ(以下レオ)も秘密結社ライブラに所属することとなるのですが、このライブラのメンバーが、また濃いのです。
リーダーであり強面で繊細で凶暴な紳士であるクラウスに始まり、口が悪く素行も悪く兄貴分のザップ、ざーっと以下略して存在感皆無の最強執事ギルベルトに至るまで、まあ濃いこと濃いこと。そしてもちろん皆魅力的。
基本的に、人間関係や世界観などの説明は──よっぽど基礎的なことでなければ、ありません。だから時々、「あれこんな人いたっけ」と読み返したりすることもあります。しかし、いたんです。そして、いるんです。あるんです、見せ場が。ひとりひとりにドラマがあるんです。
一応物語の語り手はレオなのですが、レオがまったく出てこない、他のメンバーがメインの回もあります。そういう時は冗談抜きに一切説明がなくなります。それを、物語で、絵で、ささやかな台詞で、魅せて、読ませて、読み取らせる。そしてどっぷり浸りながら思うのです──ヘルサレムズ・ロットにだけは行きたくないなあ、と(笑)。
とにかく一読、いや一見だけでもしてください。どっぷりハマること請け合いですから。